「アメックスプラチナの家族カードって、本当に必要なのか?」
一人暮らしで親と同居しているわけでもない僕にとって、この疑問はかなりリアルでした。
年会費は16万超え。特典も豪華だけど、果たして親に家族カードを発行して意味があるのか。
正直、最初は「別にいらないかな」と思っていました。
でも、実際に発行してみて分かったこともたくさんありました。
この記事では、20代一人暮らしの僕が親にアメックスプラチナの家族カードを発行した体験をもとに、
「どんな人にとって意味があるのか?」「どんな点に注意すべきか?」を正直にレビューします。
アメックスプラチナ家族カードの基本情報

まずは家族カードの概要を、本会員カードとの比較で整理しておきましょう。
基本的な機能や特典はほぼ同じですが、いくつかの仕様面で違いがあります。
とくに気になるのは「発行対象者の条件」や「カード素材」、そして「ポイントの扱い」あたりでしょうか。
以下の表に主な違いをまとめました。
項目 | 本会員 | 家族カード |
---|---|---|
年会費 | 165,000円(税込) | 無料(4枚まで) |
申し込み資格 | 20歳以上で安定収入あり | 本会員が申請する必要あり |
対象者 | 本人 | 親・子・配偶者・パートナー(※1親等まで) |
還元率 | 1% | 1%(ポイントは本会員に付与) |
タッチ決済/Apple Pay | 利用可能 | 利用可能 |
付帯特典 | すべて利用可能 | 一部制限あり |
カード素材 | メタル製 | プラスチック製 |
選べる券面 | プラチナ固定(追加カードは選択可) | プラチナ・ゴールド・グリーン |
本カードの特典やメリット・デメリットについては別記事で詳しく解説しています。
興味のある方は是非読んでみてください。
カード情報の補足

こうして比べてみると、本会員とほとんど同じ機能が無料で持てるという点が際立ちます。
4枚まで発行可能なので、家族と特典をシェアすることで本会員の年会費を“実質的に割安”にすることも可能になります。
以下の表は、発行枚数ごとの1枚当たりの年会費になります。
家族カードの枚数 | 1人あたりの年会費(実質) |
---|---|
0枚(本会員のみ) | 165,000円 |
1枚 | 82,500円 |
2枚 | 55,000円 |
3枚 | 41,250円 |
4枚(最大) | 33,000円 |
最大4枚まで無料で発行できるため、年会費を最大限“割り勘”にすれば、1人あたり33,000円という水準になります。
これはアメックスのゴールド・プリファード(年会費39,600円)よりも安くなる計算です。
もちろん、特典をシェアして活用できる相手がいることが前提ですが、使いこなせればコストパフォーマンスは非常に高いといえるでしょう。
ただし、すべての特典が家族カードでも利用できるわけではないため、その点は後ほど詳しく解説します。
発行対象は「本会員の親・子・配偶者またはパートナー」とされており、兄弟姉妹など2親等の親族は対象外です。
パートナーが含まれるあたりは、アメックスらしい柔軟さを感じますね。
一点だけ違いが目立つのが、カード素材がプラスチック製であること。本会員のメタルカードに慣れていると少し物足りなく感じるかもしれませんが、
そのぶん券売機などの挿入式端末ではむしろ使いやすいという面もあります。
家族カードには、それぞれ個別の限度額を設定することが可能です。
これは「家族それぞれに自由に使わせたいが、使いすぎは避けたい」というニーズに応える機能ですね。
ただし、注意点として、その限度額は“本会員の限度額の範囲内で割り振る”形になります。
つまり、本会員の限度額が100万円であれば、家族カードに割り振った合計も100万円以内に収める必要があります。
とはいえ、アメックスプラチナはもともとの限度額がかなり高めに設定される傾向があるため、日常使いで不便を感じるケースは少ないと思います。
限度額を個別に管理できる点は、安心して家族にカードを持たせたい人にとっては大きなメリットですね。
アメックスプラチナ家族カードのメリット

実際に使って感じた、家族カードの主なメリットは次の3つです。
- 年会費を実質的に抑えられる
- 本会員とほぼ同じ特典が利用できる
- ポイントを合算して効率的に貯められる
それぞれ詳しく解説します。
メリット① 年会費を“割り勘感覚”で抑えられる
家族カードは最大4枚まで無料で発行できるため、利用者1人あたりの年会費を大きく下げることができます。
たとえば、親やパートナーにカードを発行すれば、実質的な年会費は次のように分散されます:
家族カードの枚数 | 1人あたりの年会費(実質) |
---|---|
0枚(本会員のみ) | 165,000円 |
1枚 | 82,500円 |
2枚 | 55,000円 |
3枚 | 41,250円 |
4枚(最大) | 33,000円 |
ゴールド・プリファード(年会費39,600円)よりも安い水準でアメックスプラチナの特典を共有できると考えると、コスパの高さはかなり魅力的です。
もちろん、実際に発行できる相手がいることが前提ではありますが、実家の親などが旅行や保険の恩恵を受けられるなら十分検討の価値があります。
メリット② 本会員とほぼ同じ特典が使える
家族会員でも、本会員と同様に旅行・ダイニング・保険などの特典のうち重要なものはすべて利用可能です。
以下は特に価値の高いものの一部です:
- FHR:高級ホテルで様々な特典を受けることができる。
- 空港ラウンジ:家族カードの場合も本会員同様のラウンジが利用可能。同伴者も1名まで無料。
- ヒルトン ゴールド:朝食無料・レイトチェックアウトなど。
- 招待日和:レストランのコース料理が1名無料。
ホテルステータスはプリンスホテルのみが対象外ですが、マリオットやヒルトンは対象です。
アメックス・プラチナカード最大の魅力である「FHR(ファイン・ホテル・アンド・リゾート)」の詳しい特典内容や使い方については、
こちらの記事で徹底解説しています。
空港ラウンジに関しては、本会員と家族会員での差はありません。どちらも同伴者1名までは無料です。
招待日和のほか、KIWAMI Diningも利用できます。ただし、ポケットコンシェルジュは利用はできても、キャッシュバックの恩恵は本会員のみとなります。
また、これ以外にもコンシェルジュが24時間365日利用できるなど、家族カードながら非常に充実しています。
これらの特典は家族カード保有者本人が利用しても適用対象なので、親やパートナーにとっても大きなメリットになります。
ただし、アメックス主催の一部イベントなどは本会員限定のものもあるため、細かい差異には注意が必要です。
傾向として、キャッシュバック系の特典が利用できない印象です。
本会員が利用できる特典に関しては、こちらでも詳しく解説しています。
メリット③ ポイントを合算してムダなく貯められる
アメックスでは、家族カードの利用分も本会員のポイント口座に自動で合算されます。
たとえば、Amazonやサブスクなど日常的に利用する支出を家族全体で集約すれば、ポイント効率が大幅アップします。
- 初年度特典(〇〇万円利用でキャッシュバックなど)にも家族カードの利用額が加算
- ポイントはANAマイルやホテル系ポイントにも交換可能なので、家族旅行にも活用しやすい
なお、ポイ活的な爆発力はあまり期待できませんが、安定して価値のあるポイントを集められるのは確かです。
アメックスプラチナ家族カードのデメリット

ここまでで、家族カードのメリットを紹介してきましたが、当然ながら完璧というわけではありません。
実際に使って感じたデメリットは、次の3つです。
- カードの素材がメタルではない
- 一部の特典・イベントに制限がある
- 発行できる対象者が限られている
デメリット①:カード素材がプラスチック製
本会員カードは高級感のあるメタル製ですが、家族カードはプラスチック素材です。
カードの重みや質感を楽しみにしていた人にとっては、見た目の満足感が少し薄れるかもしれません。
ただし、プラスチックカードには実用上のメリットもあります。たとえば、券売機や一部の挿入式端末など、メタルカードでは使いづらい場面でもスムーズに利用できます。
また、アメックスのプラスチックカードは今でもエンボス加工(凸文字)が施されています。
そのため、カード段差が大きく厚みが出るため、財布のカードポケットによっては収納に少し工夫が必要になるかもしれません。
Apple Payやタッチ決済にはもちろん対応しているため、日常生活ではほとんど困ることはないでしょう。
デメリット②:一部のイベント・特典が制限される
アメックスでは、プラチナ会員限定で非公開イベントや特別な体験型特典が用意されています。
たとえば、京都・二条城の貸切ナイトや、人気レストランでの限定ディナーなどがあり、どれも非常に人気です。
しかしこうしたイベントは「本会員(基本カード会員)」のみ応募可能なものがほとんどです。
イベントに参加した際の体験記事もあります。
どのようなイベントが開催されるか興味のある方は是非読んでみてください。
家族カード保有者が参加したい場合は、本会員に申し込みを依頼し、同伴者として同行する形になります。
とはいえ、実際のイベント形式は“2名1組”が前提になっているケースも多く、たとえば直近で開催されたTACUBO(白金台)や成生(東京)のイベントなどが該当します。
つまり、配偶者やパートナーなど、日常的に同伴できる関係性であれば実質的な不便はあまり感じないかもしれません。
応募後のキャンセルが不可だったり、単独応募できないイベントもあるため、事前の確認が重要です。
デメリット③:発行できる相手が限られている
家族カードは、誰にでも発行できるわけではありません。
対象となるのは、本会員の「親・子・配偶者・パートナー」など、原則1親等の家族に限られます。
兄弟姉妹は対象ですが、”パートナー”には発行可能です。
兄弟姉妹にどうしても発行したい場合は、一度コンシェルジュに相談したほうがいいでしょう。
とはいえ、最大4枚まで無料で発行できることを考えると、対象者の中に親や配偶者がいれば十分活用できるでしょう。
また、家族カードの限度額は本会員の限度額を割り振る形で設定されます。
人数が増えると個々の利用枠が小さくなる可能性があるため、高額決済が重なる家庭では注意が必要です。
アメックスプラチナ家族カードの発行手順【スマホ画面で解説】

ここでは、アメックスプラチナの家族カードをWebから申し込む方法を、実際のスマホ画面をもとに解説していきます。
スマートフォンとパソコンでは操作画面が若干異なりますが、基本的な流れは同じです。今回はスマホ版で紹介します。
- ①マイページにログイン
まずはアメリカン・エキスプレスの公式サイト(またはアプリ)にアクセスし、本会員のアカウントでログインします。
- ②「家族カード申し込み」ページへ移動
マイページのメニュー内にある「カード追加・管理」または「その他のお手続き」から、「家族カードのお申し込み」を選択します。
赤枠で囲ったボタンをタップしてください。
- ③申し込みフォームに進む
家族カードの紹介ページを挟みます。
ここで、再度特典を確認しておくとよいでしょう。「家族カードを申し込む」ボタンを押すと、入力フォームが表示されます。
- ④申込者情報を入力
申込者(家族会員になる人)の氏名・生年月日・続柄・住所などを入力します。
入力項目は正確に記入してください。虚偽や不備があると審査に落ちる可能性があります。青枠で囲んだ入力欄を参考に進めてください。
- ⑤「次へ進む」で審査開始
すべて入力したら「次へ進む」をタップ。
ここから簡易な審査が始まりますが、早ければ10秒ほどで可決されることもあります。本会員の枠を与えるため、審査に落ちることは基本ないでしょう。
なお、明らかに基準外の続柄や虚偽申請を行うと、審査落ちやアカウントへの影響が出る可能性があるため、申込対象者には注意が必要です。
- ⑥カード到着は約3~4営業日後
審査に通過すると、家族カードは本会員の登録住所宛に簡易書留で届きます。
発送までは通常、3~4営業日程度です。到着後は家族会員のマイページからアクティベート(有効化)すれば、すぐに利用可能となります。
◆ 補足:申し込みに必要なもの
- 本会員のアカウント情報(ログインID/パスワード)
- 申込者の氏名・住所・生年月日・続柄
- 場合によっては本人確認書類(家族会員の)※画面上で求められた場合
発行自体は非常にスムーズですが、住所や申込情報が一致していないと手続きがストップすることもあるので、事前に確認しておくと安心です。
アメックスプラチナ家族カードは発行すべき?【判断チャート付き】

アメックスプラチナの家族カードは、家族カードとは思えないほど多くの特典が付帯しています。
さらに、複数枚発行して特典をシェアすれば、年会費の負担を抑えながら実質的に「元を取る」ことも十分可能です。
では、一人暮らしの若年層は発行すべきなのでしょうか?ここでは、判断基準を整理しながら考えていきます。
パターン別発行基準
◆ 結婚して家族がいる方
- パートナーやお子さんがいる場合は、すぐにでも家族カードを発行するのがおすすめです。
- ダイニング特典やイベントは2名1組での応募が多いうえ、家族カードを発行して支払いを統合すれば特典を最大限活用できます。
- 限度額設定を家族ごとに管理できるのも安心ポイントです。
◆ 独身の方
- 一人暮らしの方でも、親やパートナーに家族カードを持たせる選択肢は十分あります。
- 特に、親が旅行や外食が好きなら、保険・特典を共有できるメリットは大きいです。
- 海外旅行保険は利用付帯ですが条件は同等なので、「旅行のお守り」として渡すのもおすすめ。
◆ そもそも発行する必要がない人は?
- 本当に家族やパートナーがいない場合
- 特典を活用する予定がない、または面倒だと感じる場合
上記に当てはまる場合は、無理に発行しなくてもよいでしょう。特典を使い切れなければ、年会費を割る意味が薄れてしまいます。
YES/NOチャートでチェック
- 【Q1】一緒に暮らす家族、もしくは特典を活用できる親がいる?
- YES → 【Q2】年会費を分散し、旅行保険や特典をシェアしたい?
- YES → 家族カードを発行すべき!
- NO → 今すぐは不要、状況が変わったら検討を
- NO → 家族カードの恩恵は薄いかも。無理に発行しなくてOK
- YES → 【Q2】年会費を分散し、旅行保険や特典をシェアしたい?
結論
- 活用シーンがない場合、本カード含め無理に持つ必要はありません。
- 家族や親に持たせて特典を共有できる状況なら、家族カードはむしろ発行すべきです。
- 子供にプラチナ券面を持たせるのが不安な場合は、券面選択時にグリーンを選ぶのもあり。
- 家族カードでもコンシェルジュが付帯しているため、レストラン予約や旅行予約などで生活がワンランクアップします。
- 一人暮らしであっても、親に持たせることで年会費の回収効率が上がります。
まとめ

アメックスプラチナの家族カードは、ただの「おまけカード」ではありません。年会費を抑えながら、家族にも本会員とほぼ同じ特典や保険を付帯させられる、非常に強力なツールです。
一方で、発行対象者が限られる点や、家族カード利用分が本会員の限度額を圧迫する可能性など、注意点もあります。
「どんな人にとって意味があるのか?」と問われれば、特典を積極的に活用したい、家族との旅行や外食が多い、ポイントをまとめて貯めたい、そんな人にとって大いに意味があります。逆に、特典を使う機会が少ない場合や、年会費を分割してまで維持する意義が薄いと感じる場合は、慎重に考えるべきでしょう。
最終的には、自分や家族のライフスタイルに合わせて「どれだけ活用できそうか」を基準に判断するのがベストです。今回の記事が、その判断の一助になれば嬉しいです。