Azumi Setoda 滞在の楽しみは、宿そのものだけにとどまりません。
しまなみ海道のちょうど真ん中、生口島・瀬戸田の小さな街には、ゆったりと時間が流れています。
せっかくなら自転車やクルマに頼らず、“足で感じる”街歩きで、この土地ならではの空気や文化、暮らしを味わってみませんか?
▼シリーズ第1弾もあわせてどうぞ
- 【宿泊記】Azumi Setoda × Amex FHR|特典フル活用のリアル体験
※宿選び・特典活用のポイントや、実際のステイの様子を詳しくレビューしています
本記事では、Azumi Setoda から気軽に歩いて巡れる瀬戸田の見どころを、宿泊者目線でご紹介。
ガイドブックに載らない細かな街の表情や、実際に歩いてわかったポイントも交えつつ、“観光地めぐり”とは一味違うモデルコースをまとめました。
上質な宿の滞在体験と、生口島ならではの穏やかな街歩き。
どちらも満喫したい方のためのリアルなレポートです。
生口島(いくちじま)とは?

生口島(いくちじま)は、広島県尾道市に属する瀬戸内海の島で、しまなみ海道のほぼ中間に位置しています。
本州(尾道)と四国(今治)を結ぶ「しまなみ海道」の主要な島のひとつであり、サイクリングの聖地として国内外の旅行者に知られています。
橋で本州と直結していることから、アクセス性が高く、特に自転車旅行者にとっては中継地点・休憩スポットとしても定番。車や路線バスでも気軽に訪れることができます。
また、生口島はレモンや柑橘類の産地としても有名です。島内にはレモンを使ったカフェやスイーツショップが点在し、柑橘をテーマにした町歩きも楽しめます。
交通アクセスも良好です。
フェリーは三原港・尾道港から発着しており、因島や本州方面へ向かう路線バスも充実。観光や滞在の拠点として困ることはほぼありません。
今回滞在したのは生口島の港町・瀬戸田エリア。しまなみ海道のほぼ真ん中に位置し、宿泊施設や飲食店が集積。観光スポットもこの界隈にまとまっているため、徒歩での観光がしやすいのが特長です。
美術館や歴史ある寺院、昔ながらの商店街などが程よい距離感で集まり、観光地としての便利さと、穏やかな島の日常風景がバランスよく共存しています。
華美すぎず、素朴すぎず、ちょうどいい距離感で旅人を迎えてくれる――それが生口島・瀬戸田の魅力です。
Azumi Setoda滞在者向け|生口島ゆったりモデルコース

FHRなどの上質な宿泊体験を軸に、生口島の「徒歩街歩き」を組み合わせた1泊2日プランのイメージを紹介します。
無理のないペースで、島の日常や文化をしっかり味わう“余白重視”のコースです。
◆到着日:まずは宿でゆっくり&周辺散歩
- 15:00頃 チェックイン(FHR特典ならアーリーチェックインも相談可)
- 荷物を預け、ロビーや中庭でウェルカムドリンク・館内案内
- 少し休憩した後、瀬戸田港周辺やしおまち商店街を軽く散歩
(レトロな町並みや地元の食堂、カフェを覗いてみるのもおすすめ) - 夕食は宿もしくは徒歩圏の飲食店へ
※夕食後はyubuneや”ラウンジ”もしくは部屋でのんびり過ごすのも◎
◆翌日:本格的に島の文化を“足で味わう”
- 8:00〜9:00 朝食(Azumi Setodaの場合は瀬戸田名物や地元食材を活かした和朝食)
- チェックアウト(FHR特典で16時レイトアウト可能なら、お昼過ぎまでゆっくり)
- 午前〜昼過ぎ
- ・平山郁夫美術館(日本画の巨匠ゆかりの地。静かに作品鑑賞)
- ・耕三寺&未来心の丘(極彩色の伽藍&大理石の丘の異世界体験)
- ・しおまち商店街でランチやカフェ休憩、お土産購入
- 時間と体力があれば海沿いの道を少し歩く or レンタサイクルも可(無理に詰め込まず)
- 宿へ戻り、荷物をピックアップ or レイトチェックアウトまで客室・館内でのんびり
◆ポイント
- 徒歩メインでも移動は片道1km前後ずつ。
特に耕三寺では坂や階段もあるため、靴は歩きやすいものがおすすめ - 観光地は港〜美術館〜耕三寺〜商店街でほぼ一直線。道に迷う心配はほぼなし
- 観光地も混み合うことが少なく、落ち着いた雰囲気でのんびり回れる
- 宿を拠点にすれば、空いた時間に街歩きを“つまみ食い”する感覚で楽しめる
立ち寄りスポット詳細
平山郁夫美術館

Azumi Setodaからは徒歩10分以内、瀬戸田港からもほぼ同じ距離に位置する美術館です。
入館料は大人1,000円からと、美術館としては平均的な金額と言えるでしょう。
邸宅のような趣のある門をくぐり、小路を進むと美術館のエントランスが見えてきます。
館内はシンプルな構成となっており、落ち着いた雰囲気の中でじっくりと鑑賞できるのが魅力です。
まず目に入るのがギャラリー。ここでは平山郁夫の絵画が展示・販売されており、実際に購入することも可能です。
価格はおおよそ数十万円から、高いものでも100万円前後。美術館でこのようなギャラリー販売があるのは珍しいですが、展示されている作品も十分に見応えがあります。
ギャラリーの向かい側にはハイビジョン室があり、自由に出入りしながら平山郁夫に関する映像を視聴できます。
映像はじっくり見ようと思うとそれなりに時間が必要なので、余裕があればぜひ立ち寄ってみてください。
さらに、第1展示室から第3展示室まで、テーマごとに分かれた常設展示があります。
企画展示はこの部屋で行われるので、展示内容が変更になる場合があります。
- 第1展示室:平山郁夫の生い立ちがテーマ。
幼少期や学生時代に描かれた作品が中心で、瀬戸田で過ごした時期の絵も多く、実際に自分が街歩きで見た風景と重なるのも面白いポイントです。 - 第2展示室:しまなみ海道シリーズ。
瀬戸田から少し範囲を広げ、しまなみ海道全体をテーマにした作品が並びます。しまなみ海道開通直後に描かれたものもあり、歴史的なスナップショットとしても楽しめます。その他、奥州や出雲路など、国内各地を描いた作品もあり、旅の疑似体験のようです。 - 第3展示室:シルクロードがテーマの最大展示室。
中国奥地から中東に至るまで、壮大なスケールで描かれた作品が並びます。大きなサイズの絵も多く、その場にいるかのような没入感を味わえます。おそらく平山郁夫の代表作が一番多く展示されているのはこの部屋でしょう。
展示内容は企画展の開催などで変更されることもありますので、ここでご紹介したのはあくまで私が訪問した際の情報です。
館内は撮影禁止ではありません。美術館で撮影OKというのは珍しいですが、ここではあえて写真を掲載しません。できれば、ぜひご自身の目でその絵を見ていただきたいと思います。
企画展示棟の詳細は公式サイトをご覧ください。
耕三寺・未来心の丘

耕三寺は、初代住職・耕三寺耕三氏が母親の菩提を弔うために建設した寺院です。
入館料は1,400円と少し高めですが、文化財の保存や広大な敷地の維持費を考えると納得できる価格設定だと感じました。
入場券で耕三寺本堂や大伽藍、現代アートの「未来心の丘」、そして向かいの金剛館(博物館)もすべて見学できます。
なお、潮聲閣(ちょうせいかく)へは別途200円が必要です。
まず目を引くのは、極めて鮮やかな色彩で彩られた建造物の数々です。
孝養門は日光東照宮の陽明門にそっくりな意匠で、説明によれば大阪市・四天王寺をモチーフにした僧宝蔵や法宝蔵などもあります。
寺院巡りに慣れた方でも、どこか既視感のある建築が原色に近い装飾で並ぶ独特の空間は、なかなか新鮮に映るはずです。
オリジナルの寺院建築にも感心しますが、「建立当時は実はこれくらい鮮やかだったのかもしれない」と想像しながら歩くのもまた面白いものです。

階段を上った先には大きな本堂と蓮の池があり、極楽浄土を現実にしたかのような景色が広がります。
カラフルな建物と自然が織りなす景観は、写真映えも抜群です。
個人的に一番印象に残ったのは、地下の「千佛洞」。
無数の仏像と洞窟空間が織りなす静謐な雰囲気は、まるで死後の世界を体感するような不思議な感覚でした。
洞内は水が流れており足元が滑りやすいのでご注意を。また、夏は外気との温度差も大きいので、体調管理にもお気をつけください。

そして、耕三寺でもっとも有名なのが「未来心の丘」です。
約5,000平米もの広大な敷地がすべて大理石で造られており、トイレや壁・扉まで本当に大理石尽くし。
なかでも丘の頂上にそびえる「光明の塔」は特に人気の撮影スポットで、天気の良い日には白い大理石と青空のコントラストが美しい景観を生み出します。
“丘”の名の通り実際に高台に位置しているため、瀬戸田の港やしおまち商店街、宿泊地の周辺まで見渡すことができます。
圧倒的な大理石のスケールに包まれると、「人生でこれだけ大理石を見たことはない」と思わず笑ってしまうほどです。

より詳しく知りたい方、季節ごとの展示を知りたい方は公式サイトをご覧ください。
しおまち商店街

瀬戸田町の代表的な観光スポットのひとつが、この「しおまち商店街」です。
古い町並みが今も残り、どこか懐かしい雰囲気に包まれています。
商店街自体は一本道で、長さはおよそ1km弱。耕三寺の手前の交差点からAzumi Setodaの少し手前まで、のんびり歩いても10分ほどの規模です。
両側には飲食店や土産物屋が立ち並び、ところどころに地元の方が利用する青果店や日用品店も見かけます。
観光地でありながら、どこか生活の気配が感じられる、穏やかな商店街です。
飲食店はやはり瀬戸内らしく、海鮮料理を提供するお店が中心。新鮮な魚を使った定食や丼ものが楽しめます。
広島県内にしては珍しく、お好み焼き屋は見かけませんでした。
「観光地らしい派手さ」があるわけではありませんが、生活感とレトロ感が程よく同居していて、ぶらぶら眺めて歩くだけでも十分に楽しめるエリアです。
レイトチェックアウト後に気になっていたお土産を買いに立ち寄る、そんな利用の仕方もおすすめできます。
なお、都会の商店街と比べると営業時間は短めで、夕方には閉まるお店も多い印象です。
24時間営業のコンビニは商店街の外れにしかないため、特にお土産や食料品の買い忘れにはご注意ください。
(参考)島ごころSETODA
島ごころSETODAは、瀬戸田で特に有名なレモンケーキ専門店です。
洗練された外観が目を引き、観光や街歩きの途中で立ち寄る方も多い人気店です。
しおまち商店街のメインストリートからは少し離れており、歩くと10分ほどかかります。
アクセスとしては、地元のスーパーやコンビニが並ぶ、生活感のあるエリアに近接しています。
(なぜか商店街のど真ん中には無いという…観光客的には少し惜しい立地です)
店内では焼きたてのレモンケーキが味わえるほか、持ち帰り用のお土産も豊富に用意されています。
サイズは小ぶりで手土産にもぴったりですが、消費期限が比較的短いので購入時はご注意ください。
今回は立ち寄ったのみで購入・実食はしませんでしたが、「出来たてのレモンケーキは格別」という評判もよく耳にします。
柑橘スイーツ好きな方は、ぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
オンライン通販等は公式サイトでも取り扱いがあります。
島ごころ 〜瀬戸田レモンの島から絶品レモンケーキをお取り寄せ〜
徒歩観光のTIPSと注意点

ここでご紹介した瀬戸田エリアの主要スポットは、どれも徒歩10分圏内でアクセスできる範囲にまとまっています。観光地としては非常にコンパクトで、移動の負担が少ないのが特徴です。
島内はほぼ平坦で、坂道らしい坂道はほとんどありません。ただし、多々羅大橋だけは例外で、港側からアプローチする場合はかなり急な坂道を上ることになります。
無理に徒歩で橋まで行かず、下から眺めるだけでも十分に景色は楽しめます。橋上に行きたい場合は、港からタクシー利用をおすすめします。

服装は歩きやすい靴がベストですが、耕三寺以外は長い距離を歩くことはないので、リラックスした旅の装いでも十分です。特にAzumiに宿泊する場合は「部屋でのんびり」が旅の中心になる方も多いはずです。
飲食店の営業は都会と異なり、ランチタイムや夕方のみ営業が多く、時間をずらして利用するのが難しい点に注意が必要です。カフェは少なめですが、ホテルから観光地までの距離が近いので、休憩はホテルに戻って取るのもおすすめです。
しおまち商店街は個人商店が中心で、営業時間や定休日が不規則なこともしばしば。Google Mapの情報も完璧ではないので、「行ったら閉まっていた」ということもあるかもしれません。計画はゆるめに、現地の雰囲気を楽しむくらいがちょうどいいです。
雨の日は無理に観光せず、Azumiの客室やラウンジで読書やリラックスの時間を過ごすのも一つの贅沢です。特に小雨なら、2階のベランダから瀬戸田の街並みを眺めるのもおすすめです。
レンタサイクルも利用できますが、瀬戸田エリアの観光だけであれば自転車は不要です。サイクリングはしまなみ海道全体を旅する場合に活躍する選択肢です。
所要時間・費用まとめ

生口島・瀬戸田エリアの代表的なスポットを徒歩で巡る場合、だいたい下記が目安となります。
- 平山郁夫美術館: 約1時間
- 耕三寺・未来心の丘: 90~120分
- しおまち商店街: 特に時間設定なし。見て歩くだけなら30分もかかりませんが、休憩やお土産選びを含めて気ままにどうぞ。
Azumi Setodaのような“滞在重視”の宿に泊まる場合、街歩きは無理に詰め込まず、「ホテルで過ごす時間」も旅の主役として捉えるのがおすすめです。
費用の目安
- 平山郁夫美術館: 1,000円~
- 耕三寺・未来心の丘: 1,400円
- 潮聲閣: 200円(希望者のみ)
- お土産: 1,000円~(内容・点数により変動)
- 食事代: 1食あたり平均1,500円以上が目安。1泊の場合は昼食・夕食の2回分が必要
島内観光の支出は決してハードルが高いわけではなく、上質な体験を無理なく楽しめる範囲です。
無理に観光地やグルメを詰め込まず、心地よいペースでのんびり巡るのがこの島らしさだと感じました。
まとめ|宿と島が溶け合う“余白”の旅

生口島・瀬戸田エリアは、観光地がコンパクトにまとまっているので、徒歩だけで街と文化をじっくり味わえる稀有な場所です。
Azumi Setodaのような上質な宿に滞在することで、「部屋で過ごす時間」と「島歩き」がシームレスに繋がり、旅の立体感が一段と増します。
派手な観光地ではありませんが、どこか懐かしく、穏やかな空気感と生活の気配が感じられるのが生口島の魅力。
気ままな街歩きと、ゆったりと流れる島時間を、自分なりのペースで楽しんでみてください。
今回はAzumi Setoda宿泊記シリーズの「街歩き編」としてまとめました。
宿泊記・FHR体験記とあわせてご覧いただけると、より旅のイメージが立体的になるはずです。
“滞在そのもの”が旅の目的になる大人の上質な過ごし方――生口島でぜひ体験してみてください。