ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの貸し切りイベントに参加した。
普段は混雑するパークも、この日ばかりは様子が違った。
人気アトラクションを短い待ち時間で体験できた。
贅沢で非日常的な時間が流れていた。
日が沈むと、園内は幻想的な雰囲気に変わった。
映画のセットを歩くような気分に近い。
特別仕様のショーも用意されていた。
園内のあちこちに仕掛けられた演出が印象的だった。
この記録では、当日の流れと印象に残った体験を振り返る。
アメックス限定の特別な夜へ──3種のプランと抽選の流れ
3つの参加プランとその違い
今回参加したのは、アメリカン・エキスプレス主催の貸し切りイベント。
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン・貸切サマーナイト」という企画だ。
毎年夏に開催される、カード会員限定の特別な夜。
通常営業後のパークをまるごと楽しめる贅沢な内容となっている。
2024年は新エリア「ドンキーコング・カントリー」の開業が重なった。
それに伴い、今年は3つのプランに分かれていた。
各プランごとに、アクセス可能なエリアや内容が異なる。
とくに新エリアへの入場可否が、プラン選びのポイントになった。
■ スペシャルプラン
プラチナ・カード会員のみが対象。
ニンテンドーエリアとドンキーコング・カントリーの両方に入場できる。
「クレイジートロッコ」にも唯一乗れる特別なプランだ。
新エリアを最速で体験できる贅沢な内容となっている。
■ プレミアムプラン
こちらもプラチナ・カード会員限定。
ニンテンドーワールドまでは入場・アトラクションの体験ができる。
雰囲気や装飾を楽しむには十分な構成。
フォトスポットも多く、視覚的な満足度は高い。
■ ベーシックプラン
すべてのアメックス会員が対象。
ニンテンドー系のエリアには入場できない。
利用可能なのは通常アトラクションのみ。
それでも、貸し切り状態でUSJを楽しめるのは大きな魅力だ。

アメックスプラチナに関しては、別記事で解説している。
興味のある方は是非読んでほしい。
申し込みから当選、入場券発券までの流れ
申し込みはスペシャル、プレミアム、ベーシックの順に進んだ。プランごとに抽選の段階が設けられていた。
第1次のスペシャルプランに応募したが落選。続く第2次プレミアムプランで当選し、参加が決まった。
クレイジートロッコに乗れない点は少し惜しかった。それでもニンテンドーエリアに入れるだけで満足感があった。
新エリアの世界観を体感できること自体が特別だった。期待以上の体験になる予感がすでにあった。
参加費は1人8,200円。前回より数百円の値上げ。
申し込み時に注意すべき点がひとつある。
それは当選通知よりも先に、カードの請求が行われることがある点。メール通知が来る前に「American Express」の名義で請求が発生することがある。
その表示が、いわば当選の証拠となる。スマホの通知画面にその名を見つけたとき、不思議な緊張感が走った。
嬉しさと驚きが入り混じる、リアルな実感があった。当選後は申し込みカードに決済が来る。「AMERICAN EXPRESS」となっているが決して不正決済ではない。
イベント3日前の17時まで(本当に17時直前)に、当日の入場券の引き換えコードや受付確認用の二次元コード、注意事項が記載されたメールが届く。
入場券はローソンでの発券となる。日本全国に店舗があるため困ることはないだろう。発券方法が分かりにくいのはローソン側の都合なので、受け入れるしかない。
貸し切り前のパークの過ごし方と注意点──混在する時間帯をどう楽しむか

貸切イベントの入場と参加準備

今回のイベントでの貸し切り時間は19:00〜22:00の3時間だ。
ただし、参加者は14:00からパークに入場できる。ローソンで発券したチケットで入場する。
年間パスポート保有者や別途1DayPassを購入すれば、朝からの入園も可能だ。実際には14時より少し前から入場でき、貸し切り時間を含めると約8時間も滞在できる。
貸切時間用のクレデンシャルはステージ33で受け取る。この時、メールの2次元コードと申し込んだクレジットカードを用意する必要がある。本人確認に申し込み時のクレジットカード(ローマ字の名義が確認される)を使うのは斬新に感じた。
プラチナ会員はここで記念品(キーホルダー)をもらえる。今年は2個目となるが、メルカリでは2000円以上で売れているらしい。1個目をもらうきっかけになったイベントは別記事で紹介している。
貸切時間までの通常営業とその特徴
貸切時間までは一般営業中のため、通常のゲストと同じ環境で過ごす。アトラクションやレストラン、パークショップなどは通常通り利用可能だ。
ただし、この時間帯は貸し切り特有の快適さはまだ味わえない。人気アトラクションでは100分を超える待ち時間も珍しくない。快適に動けるのは19時以降の貸し切り時間からだ。
19:00以降も園内から一般ゲストがすぐに消えるわけではない。一部のレストランやショップは引き続き開放されており、散策も可能だが、アトラクションの利用はできない。そのため、イベント参加者と一般ゲストの区別がつきにくい場面もある。
「完全な貸し切り」ではなく、「アトラクション+一部のレストランのみの貸し切り」と考えたほうがよい。
貸切イベント中のアトラクション運営と注意点

アトラクションの運営にも通常営業との違いがある。通常は閉園時間ギリギリまで並べるが、貸し切り当日は例外だ。スタッフが「このままでは19時を越える」と判断すると、列はその時点で締め切られる。
そのため18時を過ぎると、体験できるアトラクションは徐々に減っていく。人気アトラクションは18時までに営業終了し、それ以外も18時半頃には終了する。クレデンシャル(参加者ID)を提示しても19時まではアトラクションの案内は断られる。
立ち歩きグルメは営業を続けるが、レストランは18時までの営業だ。一部レストランは19時から営業を再開するが、その時間はアトラクションには乗れない。そのため腹ごしらえは18時までに済ませるのがベストだ。
貸し切り開始の10分前ほどになると、アトラクションの案内が再開される。目当てのアトラクション付近で時間をつぶしておくと早く乗れる。
入場の際は首から下げたクレデンシャルの提示が必要だ。証明書が見えやすい位置にあるとスタッフも対応しやすい。
ただしまだ園内には事情を知らない一般ゲストも残っている。参加者がアトラクションに入っていく姿に驚く人もいるため、混乱が起きやすい時間帯だ。そんな時は空いているクルーに声をかけて参加証を見せるとよい。スタッフは状況を理解すると丁寧に案内してくれる。
貸切時間中のアトラクション体験レポート
貸切時間スタート時の混雑とアトラクション再開
19時少し前から、いよいよ待ちに待った貸切時間の始まりとなる。
この時間帯、退園する一般ゲストでエントランス付近やグッズショップが混雑しやすい。また、アトラクションの入り口も混雑する。営業終了のはずなのに入場している人がいるため、スタッフが対応に追われる場面も見られる。
アトラクションの受付再開は早ければ18時45分ごろから始まり、18時50分ごろにはほとんどのアトラクションで再開されていた。
なお、このタイミングでは待ち時間は表示されない。スタッフに聞くとおおよその目安を教えてくれる。
代わりに、「本日の営業は終了しました」と流れている。
19時半くらいになると、待ち時間が表示され始める。
とはいえ、どれも長くて20~30分とかなので、躊躇するほどのものでもない。
アトラクション待ち時間の快適さと注意点
貸切時間中は、アトラクションの待ち時間が驚くほど短くなる。通常100分を超える人気アトラクションでも、30分以下の表示になることが多い。
これまで2回体験して、唯一60分待ちだったのが「鬼滅の刃」のライドだった。(現在は営業終了)
これは、貸し切り前後の「フライングダイナソー」の待ち時間を比較したもの。1時間近い待ち時間が、なんと10分になっていた。
写真だと見づらいが、貸し切り前が55分となっている。


今回の貸切イベントの参加者数は、公式発表で約9,000人。貸し切りイベントの中では比較的多めの人数だが、それでも待ち時間はかなり短縮されていた。
例えば「バックドロップ」は120分待ちが普通だが、この日は15~20分待ち表示。実際は建物内で歩く時間が大半で、ライド直前にポケットチェックや乗車待機が行われる。「バックドロップ」用の後ろ向きライドが1台しかないため、直前での待機がどうしても発生する。

また、「マリオカート」は驚異の15分待ち。シングルライダーを利用すれば、ほぼ待ち時間ゼロで乗車できた。純粋に人が多すぎるせいで待たされる印象はほとんどなかった。
なお、ニンテンドーエリアへは、クレデンシャルに記載されている時間内に入場する必要がある。エリアの入り口では、スタッフが一人ひとりのクレデンシャルを確認しており、抜け駆けはできない仕組みだ。
このとき、入場に同意するとクレデンシャルにパンチで穴があけられる。これが入場の証となり、再入場はできなくなる。そのため、満足できたと思うまではエリアから出ないようにしたい。
仮に再入場を企てても、スタッフがしっかりと確認しているため無理がある。事前にスケジュールと気持ちを整えて、悔いのない体験をしておきたい。
効率的な回り方と体験できたアトラクション一覧
貸し切り開始から1時間も経つと、一般ゲストはほぼ退園しており、園内の移動もスムーズになる。ハリーポッターエリアのような狭い通路も快適に歩ける。
とはいえ、エリア間の移動時間が劇的に短縮されるわけではない。USJのように広大なテーマパークでは、エリア移動に10分以上かかることもある。3時間という限られた時間を最大限に楽しむには、あらかじめ計画を立てておくことが重要だ。
ハリーポッターエリアの入り口でいつも人がいるあの「ストーンヘンジ」を模した場所が貸し切り前後でこうも変わる。


今回、私が貸し切り時間中に体験できたアトラクションは以下の通り:
- バックドロップ:3回
- フライングダイナソー:2回
- ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド:2回
- マリオカート~クッパの挑戦状~:1回
- ヨッシー・アドベンチャー:1回
短時間に、「バックドロップ」などの人気アトラクションを複数回乗車できる。
そのため、酔い止め薬を飲んでおくとよい。
22時がパーククローズのため、アトラクションの受付は21時半ごろから順次締め切られていく。最後まで楽しみたいなら、21時半には最後のアトラクションに並んでおくのがベストだ。
21時ごろから終わりに向けてどれに乗るか考えておくとよい。
貸し切り時間中のグルメ・ショップ事情

貸し切り対象のレストラン事情
貸し切り時間中といっても、レストランやショップのすべてが貸し切りになるわけではない。この点はすでに触れたとおりだが、例外もある。
一部のレストランに限っては、貸し切りゲスト専用として営業している。以下が対象となるレストランの一部だ。ハリウッドエリアのレストランは含まれていないが、テーマ性の高い店舗が選ばれている点は評価できる。
- パークサイド・グリル(ニューヨーク・エリア)
- フィネガンズ・バー&グリル(ニューヨーク・エリア)
- SAIDO(ニューヨーク・エリア)
- 三本の箒(ハリー・ポッター・エリア)
- LOST WORLD(ジュラシック・パーク)
これらのレストランであれば、通常時よりも落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと食事を楽しむことができる。特にテーマ性の高いレストランでは、店内の装飾や演出を味わいながら食事をとれるため、アトラクションとは異なる形でパークの世界観を堪能する貴重な時間になるだろう。
イベントガイドには掲載されていないが、ジュラシック・パークに入ってすぐの「LOST WORLD」レストランに明かりが灯っていた。前回(2024ウィンターナイト)も同様だったため、おそらく恒常的に貸し切りイベントで営業しているのだろう。

ただし、3時間という限られた貸し切り時間中にレストランでの食事にどれだけ時間を割くかは慎重に判断したい。特に「LOST WORLD」のように普段は営業していないレア店舗であれば、訪れる価値があるといえる。
ショップの利用とグッズ購入のタイミング
一方、グッズショップについては貸し切りゲスト専用にはならず、通常の営業が続けられる。そのため、19時前後の時間帯は通常通り混雑する。
お土産購入のタイミングについては、いくつかの選択肢がある。
- そもそも購入しない
- 貸し切り時間開始前に購入する
- 貸し切り時間中に購入する
- アトラクションの受付が終了する21時半以降に購入する
前回の貸し切りイベントでは、2番目の戦略を採用し、アトラクションの受付が中断される18時台に購入を済ませた。しかし、その後ずっとお土産を持ち歩くことになり、少々後悔した。
今回は4番目の戦略を選ぶことにした。ショップはアトラクションと異なり、閉園間際まで営業しているため、荷物を増やすことなく貸し切り時間を満喫できると考えたからだ。
しかし、今回はその計画を断念せざるを得なかった。というのも、ニンテンドーエリアでグッズを購入したためだ。このエリアは再入場ができない仕組みになっており、出るタイミングで購入しないとチャンスを逃してしまう。
結果的に、今回は荷物を抱えて残りの貸し切り時間を過ごすことになった。
おすすめの行動戦略と注意点
ショップがもっとも空いているのは、4番目の戦略、すなわち21時半以降の時間帯である。この時間になるとアトラクションの受付も終了しており、帰路につくゲストが増えるため、比較的落ち着いた状態で買い物ができる。
また、貸し切り対象のレストランは、アトラクションの喧騒を離れたリラックス空間として活用できる。特に、歩き疲れたときの小休止やパークの雰囲気に浸る場として、時間配分を工夫して訪れる価値は十分にある。
グルメやグッズもテーマパーク体験の一部。無理なく、そして計画的に楽しむことで、貸し切りイベントの満足度はさらに高まるはずだ。
🎯 貸し切りイベント攻略法まとめ

貸し切りイベントを最大限に楽しむには、アトラクション・エリア・ショップ・レストランそれぞれの特性を理解し、事前に計画を立てることがカギになる。以下に、主なポイントを整理する。
✅ アトラクション攻略の基本方針
項目 | 内容 |
---|---|
待ち時間 | 通常100分超の人気アトラクションが、貸し切り中は10〜30分以下に短縮されることが多い。 |
狙い目 | 開始直後と21時以降の時間帯が比較的空いている。 |
おすすめ | 「バックドロップ」「フライングダイナソー」など、普段待ち時間が長いものを優先的に狙う。 |
注意点 | 21:30頃から受付が終了していくため、最後に乗りたいアトラクションはそれまでに並ぶこと。 |
🧭 ニンテンドーエリアの注意点
- クレデンシャルに記載された時間帯にしか入場を済ませておく。
- 入場時にパンチで穴が空けられ、再入場不可となる。
- グッズ購入などは退場直前に済ませておくこと。
- エリア内での行動は「一度きりのチャンス」と心得ておく。
🍽 レストラン利用のコツ
おすすめ店舗 | 特徴 |
---|---|
LOST WORLD | 普段営業していないため、非常にレア。 |
三本の箒 | ハリポタ世界観を満喫でき、雰囲気重視に◎。 |
フィネガンズ・バー&グリル 他 | 落ち着いて食事ができる。テーマ性も高く、混雑も少なめ。 |
貸し切り対象のレストランであれば、空いていて落ち着ける上に、パークの雰囲気を楽しみながらゆっくり食事できるというメリットもある。
ただし、3時間という時間制限があるため、行くなら短時間で食べられる店舗を選ぶのが吉。休憩も兼ねて利用すると満足度が高まる。
🛍 ショップ・お土産購入のベストタイミング
タイミング | メリット・デメリット |
---|---|
貸し切り前に購入 | 落ち着いて選べるが、荷物を持ち歩く羽目に。 |
貸し切り時間中 | 混雑はしていないが、時間がもったいない。 |
21:30以降 | 最も空いている時間帯。荷物にならず快適。 |
ニンテンドーエリアで購入を考えている場合は、再入場不可のため注意が必要。最後に立ち寄る形にできれば、スマートな締めくくりに。
💡 総合アドバイス
- 貸し切り時間は3時間しかない。移動・食事・買い物を含めた綿密なスケジューリングが重要。
- テーマエリア間の移動には10分以上かかることもあるため、無駄のないルート設計を。
- シングルライダーの活用や人気アトラクションの集中攻略で効率アップ。
- 疲れたら、空いているレストランでのんびり休憩するのも良い選択。
特別な夜を最大限に楽しむために:貸し切りイベントのすすめ

年に数回しか開催されないUSJの貸し切りイベントは、人混みを避け、人気アトラクションを短時間で楽しめるだけでなく、普段は体験できないようなゆとりある時間と空間を味わえる貴重な機会だ。
ただし、時間には限りがある。アトラクションをとにかく回るのか、エリアの雰囲気をじっくり堪能するのか、テーマレストランで落ち着いて食事するのか…。どんな楽しみ方を選ぶかは人それぞれだが、事前の計画とちょっとした工夫で満足度は大きく変わる。
今回の体験を通して感じたのは、「人が少ないだけで、こんなにも快適にテーマパークを楽しめるのか」という驚きと感動だった。特に、アトラクションに何度も乗れる贅沢さ、ショップで並ばずに買い物できる気楽さ、そしてレストランで落ち着いて食事できる空間は、まさに“特別”な夜そのものだった。
次回、もし貸し切りイベントへの参加を検討している人がいれば、この記事を参考に、ぜひ自分だけの最適なプランを立ててみてほしい。通常営業日とはまったく異なる、大人も子どもも楽しめる“裏USJ”のような魅力に出会えるはずだ。