Amazonで買い物をする機会が増えたことをきっかけに、昨年からAmazon Primeに加入してみた。
動画が観られる、配送料が無料になる、本が読める――特典が豊富なことは知っていたが、実際に使ってみないとその便利さや価値は見えてこない。
この記事では、Amazon Primeを1年間使ってみて感じた率直な感想をまとめている。
よく使ったサービスや微妙だったポイント、果たして元は取れたのか?など、個人的な視点から正直に書いていくつもりだ。これから加入を検討している人の参考になれば嬉しい。
この記事は、サブスク紹介第3弾である。
他の紹介しているサブスクに関しては、以下の記事を参考にしてほしい。
Amazon Primeとは?
Amazon Primeとは、米Amazonが展開するサブスクリプション制の会員サービスのことである。
会費を支払うことで、買い物だけでなく、動画視聴や音楽配信、電子書籍の閲覧など、多岐にわたるサービスを受けることができるようになる。
会員数は全世界で2億人を超えており、日本国内においても約1,500万人が登録していると言われている。
「アマゾンプライム年会費は1万4900円になってもおかしくない」経営コンサルがそう予想する”複合的理由” (東洋経済オンライン)
Amazonはもともと非会員でも非常に優れた利便性を提供しており、無料の範囲内でも十分に活用できるサービスである。
しかし、年会費を支払ってPrime会員になることで、配送の優遇(お急ぎ便や日時指定便の無料化)に加え、Prime VideoやAmazon Music Prime、Prime Readingなどの追加サービスを利用できるようになり、日常生活の中でその恩恵を大いに感じられるようになるのが特徴である。
Amazon Primeの会費は次のような構成となっている。
一般会員か学生会員の2種類があり、それぞれに月払いと年払いが用意されている。
月会費 | 年会費 | 月会費(学生) | 年会費(学生) | |
価格(円) | 600 | 5900 | 300 | 2950 |
2023年にはAmazon Primeの会費が改定され、月額料金は従来より100円高い600円、年額料金は1,000円増の5,900円となった。
それに伴い、学生向けの「Prime Student」も値上げとなり、月額は50円増の300円、年額は500円増の2,950円となっている。
価格が上がったとはいえ、年間プランで加入すれば、月額で支払うよりも18%ほど割安になる。
よほど短期間の利用でない限り、年間プランを選ぶほうが合理的である。
また、通常のプライム会員には30日間、学生会員にはなんと6か月間という長期の無料体験期間が設けられている。
まずはこの体験期間を利用してサービス内容を試してみて、万が一合わなかった場合は期間内に解約すれば一切費用は発生しない。
リスクゼロでさまざまな特典を体験できるのは非常にありがたい制度である。
ただし、後述する特典の内容を踏まえると、仮に無料体験がなくても支払う価値は十分にあると私は考える。
Amazon Primeの特典一覧を紹介
Amazon Primeに加入すると、さまざまな特典が利用できる。ここでは、実際に使える代表的な特典をジャンルごとに紹介する。
🚚 配送系の特典

無料お急ぎ便
最短で翌日に届く配送サービス。商品によっては当日配送にも対応している。
配送料無料
注文金額に関係なく、対象商品の配送料が無料になる。マーケットプレイス商品には適用されない場合もある。
日時指定無料
通常会員では有料の日時指定も、Prime会員なら無料。自分の都合に合わせて受け取れるのが便利。
🎬 エンタメ系の特典

Prime Video
映画・アニメ・ドラマなどが見放題。作品数は控えめだが、人気作品はおおむねカバーされている。
Amazon Original
Amazon制作のオリジナル動画。作品の質も高く、他の配信サービスとの差別化要素になっている。
Prime Gaming
毎月無料でゲームが配信されるほか、Twitchの無料サブスクリプションも利用できる。
Amazon Music Prime
音楽がストリーミングで聴ける。ただし現在はシャッフル再生が基本となっており、使い勝手はやや落ちた印象。
📚 読書・知識系の特典

Prime Reading
対象の本や雑誌が読み放題。ラインナップはやや少なめで、補助的なサービスという印象。
🛍 買い物系の特典
会員限定先行タイムセール
「プライムデー」をはじめ、Prime会員だけが参加できるセールが定期的に開催される。割引率も高く、人気イベントとなっている。
Amazonフレッシュ
生鮮食品などを注文できるオンラインスーパー。現在は関東圏限定のサービス。
☁️ ストレージ特典
Amazon Photos
写真に特化したクラウドストレージ。写真は無劣化・容量無制限で保存可能。動画は5GBまで。
3. 実際によく使ったAmazon Prime特典TOP3
Amazon Primeにはいろんな特典がありますが、実際に1年間使ってみた結果、「使ったかどうか」で言えばほぼ1強状態でした。
利用頻度で表すと、感覚的には 9:0.9:0.1くらい。
とはいえ、せっかくなのでランキング形式で紹介していきます。
🥇 第1位:無料配送(お急ぎ便&日時指定)
Prime特典の中で、圧倒的に利用頻度が高かったのが「無料配送」だった。
やっぱり一番ありがたさを感じるのは、「え、もう明日届くの?」とか「これも送料無料なのか!」という瞬間。
とくに日時指定が無料なのは地味だけど助かるポイントで、不在がちな生活をしている自分にはぴったりだった。
送料無料の条件金額が2000円から3500円に引き上げられた影響もあり、Prime会員でよかったと思えることが多い。
注文金額に関係なく配送料がかからないため、わざわざまとめ買いする必要もない。
ボールペン1本や洗剤1つといった細かい日用品も、必要になったときに気軽に注文できる。
これによって、買い物のストレスがかなり減った実感がある。
頻繁にAmazonを使う人なら、この特典だけでも年会費分の元は取れてしまうんじゃないかと思う。
なお、非Prime会員の場合の送料は下記表のようになる。
本州・四国(離島除く) | 北海道・九州 | 沖縄(離島を除く) | |
通常配送(3500円以上) | 無料 | 無料 | 無料 |
通常配送(3500円に満たない場合) | 460円 | 500円 | 500円 |
お急ぎ便 | 510円 | 550円 | 550円 |
当日お急ぎ便 | 610円 | 650円 | ‐ |
発米日/発売日前にお届け | 無料 | – | – |
日時指定 | 510円 | 550円 | – |
当日お届け日時指定 | 610円 | – | – |
なお、一部のメール便対象商品には、これに追加で200円がかかる場合もある。
ただし、マーケットプレイス出品のものは、Prime会員であっても送料無料の対象外となる場合もあるので、注文前によく確認する必要がある。
🎬 第2位:Prime Video
Prime Videoはそこそこ使ったが、正直なところ、がっつり観るタイプのヘビーユーザーではない。
ただ、それでも「見たい作品がちょうど対象に入っていた」という瞬間の得した感覚は大きい。『SPY×FAMILY』のような話題作を追加料金なしで楽しめたのは、かなり嬉しかった。
最近は忙しくて観る時間も減ってしまったが、それでもふとしたタイミングで作品を漁れるのはありがたい。
この特典は、長距離移動が多い人にとってさらに便利だと感じる。
旅行や出張、帰省などで飛行機に乗る前に映画をダウンロードしておけば、移動中の暇つぶしにぴったり。オフライン再生できるのも大きなメリットだ。
そして何より、この特典の魅力は「損益分岐点の低さ」にある。
映画館で映画を観ると1本あたり2,000円前後。
Prime Videoで3本観れば、それだけで年会費の元は取れてしまう計算になる。
たとえ利用頻度がそれほど高くなくても、数回の視聴で十分に元が取れるのだから、入っていて損はないと感じる特典だ。
📚 第3位:Prime Reading(ほぼ使ってないけど)
正直に言うと、Prime Readingはあまり活用できなかった。
無料で読める本のラインナップは思っていた以上に少なく、しかも入れ替わりの頻度もかなり低い。
1年ほど利用してみたが、ラインナップはほぼ固定されていて、途中で目新しさがなくなってしまった。
とはいえ、おまけ的な特典としては悪くない。
漫画やビジネス書、雑誌など複数ジャンルの本が対象になっている点は評価できる。
一応、対象作品は少しずつ増えているようだが、それでも「まだまだ少ない」という印象は拭えない。
自分の場合、数か月使った時点で「読みたいものは大体読んだ」という状態になり、それ以降はほとんど開かなくなってしまった。
本をよく読む人には、Prime Readingでは物足りなく感じるだろう。
そういった人には、追加料金を払ってでもKindle Unlimitedに加入するほうが圧倒的に満足度は高い。
こちらについては別記事で詳しく書いているので、興味があればそちらも参考にしてほしい。
イマイチな点

Amazon Primeは全体として満足度の高いサービスだが、完璧というわけではない。
1年間使ってみて、「これはちょっと期待外れだったかも」と感じたポイントもあったので、正直に書いておこうと思う。
❶ 使わない特典が意外と多い
入会前は「これ全部使えるの!?すごい!」と思っていたが、実際に使ってみると、使う特典は限られていた。
例えば、Prime GamingやAmazonフレッシュ、Amazon Photosなどは存在は知っていても、結局一度も使わなかった。
自分の生活スタイルに合っていないサービスも多く、すべてを活用できる人は意外と少ないかもしれない。
Prime Gamingに関しては、存在を知ったのがここ最近だったし、そもそも知らない人のほうが多いんじゃないかと思う。
無料でゲームが配信されているのは魅力的だけど、基本的に対象はPC(Windows)のみ。
そのため、ある程度の性能を持つPCを持っていなければ利用は難しい。
ゲーミングPCを持っているような人でなければ、そもそも恩恵を受ける機会がほとんどないかもしれない。
ただし、Twitchのチャンネルを1つだけ追加料金なしでサブスクライブできる特典は、わりと使いやすい。
配信者を応援している人にとっては、それだけでも価値を感じられるかもしれない。
Amazonフレッシュについては、サービスの提供エリアが関東圏の一部に限られている。
そのため、それ以外の地域に住んでいる人にとっては完全に無縁の存在だ。
自分でスーパーに買いに行ったほうが早いというのが正直なところ。
ちなみに、自分の住んでいるエリアではAmazonフレッシュは利用できず、代わりにネットスーパーとして表示されたのが成城石井とバロー。
高級志向かローカルスーパーという何とも微妙なラインナップで、送料もかかるため、結局一度も利用することはなかった。
Amazon Photosについては、一度使ってみたものの、最終的には利用をやめてしまった。
理由は単純で、静止画像以外の保存が5GBまでとかなり制限されているからだ。
写真だけなら無劣化かつ容量無制限で保存できるので、旅行やイベントの思い出を保存するにはかなり便利なサービスではある。
ただ、クラウドサービスはその性質上、一度使い始めると途中でやめにくくなる性質のサブスクとなっている。
そのため、私はあえてあまり使わないようにしている。
そういう意味では、便利だけど、少し距離を置いて付き合いたい特典だった。
❷ ポイント還元は高くはない

Amazon Mastercardを使えば、Prime会員はポイント還元率がアップするが、それでも他社のクレジットカードやポイントサイトと比較すると、特別お得とは感じられなかった。
商品購入時の基本還元率は1%で、決して悪くはないが、特別高いという印象もない。
Amazon Mastercardを使えば常時2%の還元を受けられるものの、それを目的に専用カードを作るのは、自分の使い方としてはあまり効率が良くないように思えた。
クレジットカードはできるだけ枚数を絞って管理したい派なので、Amazon用に1枚追加するのは少し手間に感じてしまう。
また、月に1度ほどの頻度で開催されるセール時には、一定額(例えば1万円以上)購入することで還元率が上がるキャンペーンもある。
ただし、対象商品が限定されていることが多く、自分の欲しいものが対象に入っていないケースも少なくなかった。
そのため、「これは絶対お得だ!」と思えるタイミングは意外と少ない印象だった。
さらに、こうしたセールでの増量ポイントも期間限定で、付与率は少しずつ下がっているように感じる。
1年前は10%を超える還元も珍しくなかったが、最近のセールでは7〜8%が上限になっているケースが多い(※セールによって異なる可能性があるため、詳細はAmazon公式サイトでの確認を推奨)。
お得感が徐々に薄れてきていることもあり、今ではあまりポイント目的での利用はしなくなってしまった。
元は取れるのか?
Amazon Primeは、他のサブスクリプションサービスと比べても、年会費の元を取るハードルが非常に低いと感じる。
特に配送特典や動画配信など、利用頻度が高いサービスが揃っているため、日常的にAmazonを使っている人にとっては「加入しない理由がない」と言っても過言ではない。
以下に、主要な特典ごとに「年会費分(5,900円)の元を取れるライン(損益分岐点)」をざっくりと表にまとめてみた。
特典 | 1回/1冊あたりの想定価値 | 年会費分の元が取れる利用回数 | 備考 |
---|---|---|---|
お急ぎ便 | 510円 | 約12回 | 毎月1回使えば余裕で元が取れる |
映画(Prime Video) | 500円 | 約12本 | 月1本以上視聴で元が取れる |
アニメ(1クール) | 2,400円 | 約2.5クール | 3クール見ればお釣りが来る |
Prime Reading | 700円 | 約9冊 | 月1冊未満でOK |
Amazon Photos | 2,500円 | ― | 写真中心ユーザーなら価値あり |
Twitchサブスク(Prime Gaming) | 約750円 | 約8回 | 毎月使えば9,000円相当 |
■ お急ぎ便
Amazon Primeで最も恩恵を感じやすいのが「お急ぎ便」。
1回あたり510円の価値があるとされ、年12回の利用で年会費の元が取れてしまう計算になる。
特に忙しいビジネスパーソンや、買い物に行く暇がない家庭持ちにとっては、必要な物が翌日に届くというだけで大きな安心感を得られる。
日時指定も無料になるため、不在がちの人でも使いやすい。
■ 映画(Prime Video)
Prime Videoで映画を視聴した場合、レンタルで計算すると1本あたり約500円相当の価値があると見積もれる。
つまり、年間で12本、月に1本のペースで見れば、これだけで年会費分を回収可能。
映画館に行くよりも気軽で、リラックスしながら好きなときに視聴できるのも嬉しいポイント。
ラインナップは頻繁に更新され、話題作も含まれることが多いので、コスパはかなり高い。
■ アニメ(1クール)
アニメ視聴も侮れない。
レンタルならば、1話あたり200円、1クール(12話)で約2,400円の価値と考えられるため、年間で3クール分視聴すれば年会費以上の価値が得られる。
人気の深夜アニメや話題作もカバーしていることが多く、アニメファンにとってはかなりの恩恵がある特典。
時間のあるときにまとめて見るスタイルでも十分元は取れる。
■ Prime Reading
Prime Readingでは対象作品が読み放題。
1冊あたり平均700円とすると、年間で9冊読めば年会費を回収できる。
雑誌やビジネス書、漫画などジャンルも多彩。
ただし、対象作品数がKindle Unlimitedに比べると限られており、Videoと比較すると入れ替わりの頻度も少ないのが難点。
それでも「読みたい本がたまたま対象だった」場合の満足度は高い。おまけ的に楽しむのが良い。
■ Amazon Photos
Amazon Photosは、写真なら無劣化・無制限に保存できるクラウドストレージサービス。
他社と比べてもこの条件は非常に優れており、Googleフォトの有料プランやiCloudと比べても、写真主体のユーザーには高いコストパフォーマンスを発揮する。
動画などの、写真以外のファイル形式には5GBの制限があるため動画派には不向きだが、スマホの写真を自動バックアップしている人にはうってつけの特典。
■ Prime Gaming(Twitch)
Prime Gamingで最も価値があるのは、Twitchで月1回の「無料サブスク」が付く点。
通常、月額4.99ドル(約750円)なので、年間では約9,000円分に相当する。
これだけでも年会費を上回る。ゲーム特典も不定期で配信されているが、Twitchユーザーであればそれらを使わなくても十分にお得感を得られる。
普段からTwitchを見る人には必須とも言える特典。
オススメの人

Amazon Primeには、ここまで紹介してきたように実に多くの特典が含まれている。
配送サービスから動画配信、読書、クラウドストレージ、Twitchの特典まで幅広くカバーしており、その恩恵を受けられる人は非常に多い。
結論から言えば、おすすめしたいのは「ほぼ全員」、中でも特に一人暮らしをしている人には強く勧めたい。
注文金額に関係なく配送料が無料になるのは、実はかなり大きなポイントだ。
たとえばボールペン1本でも気軽に注文でき、翌日には玄関先まで届く。
買い物に行く手間を省けるだけでなく、時間と労力の節約にもつながる。
一人暮らしをしていると、仕事や学業の合間に買い物に出るのもなかなか難しい。
そんなときに、必要なものを手元まで届けてくれるPrimeは心強い味方になる。
また、空いた時間には映画やアニメを楽しめる娯楽サービスも付いてくる。
まさに至れり尽くせりだ。
とりあえずのサブスクを1つだけ選ぶなら、Primeだけでかなり満足できる内容になっている。
こだわりがなければ、ほかのサブスクを使わなくても十分生活が回る。
それくらい、コストパフォーマンスに優れたサービスだと言える。
まとめ
Amazon Primeは、年会費5,900円という価格に対して、非常に多くの特典がついてくるコストパフォーマンス抜群のサブスクリプションだ。
特に配送料無料やお急ぎ便、日時指定の特典は日常的に使いやすく、これだけで元が取れてしまうレベル。
一人暮らしや多忙な人には特にありがたいサービスといえる。
Prime VideoやPrime Reading、Twitch特典といった娯楽系のサービスもあり、生活と余暇の両面で活用できる点が魅力だ。
ただし、すべての特典をフル活用するのは難しく、利用頻度に個人差は出る。
とはいえ、特典の一部だけでも十分価値があり、加入のハードルは低い。
無料体験期間もあるため、気になる人はまず試してみるのがオススメだ。