「英語、そろそろちゃんとやりたいな」と思っていた頃、家族から唐突に「Duolingoってアプリ、知ってる?」とすすめられた。気軽に始めてみたものの、気づけば毎日ちょっとずつ続けていつの間にか半年が経過。学生時代に習った英語なんて自分が思っている以上に忘れていたけど、アプリのゲームっぽさと、ちょっとした達成感に背中を押されて、なんとか続けてこれた。今回はその半年間を振り返って、「ぶっちゃけ、どこまで効果あったのか?」をざっくり書いてみる。
毎日の習慣にできた理由|Duolingoとの付き合い方
Duolingoの特徴のひとつは、学習アプリにゲーミフィケーションを取り入れている点だ。
ゲーミフィケーションとは、UX(ユーザーエクスペリエンス)設計の手法のひとつで、ゲームのUXをゲーム以外のコンテキストに転用することを指す。Duolingoであれば、ゲームに共通する「楽しさ」「達成感」「挑戦感」を学習過程に取り入れることで、学習をより効果的に、かつ続けやすくしている。
Duolingoの場合、ログインボーナスのような連続日数、見知らぬ人と競い合うランキング形式、そして、1回5分ほどのミニゲーム感覚のレッスンをクリアするともらえるジェム(ゲーム内通貨)などが挙げられる。これらは、学習そのものにゲーム的要素を加えることで、ユーザーに「次もやりたくなる」気持ちを引き出す仕組みだ。

中でも、連続日数に関してはDuolingo側が非常に意識しているようで、アプリのウィジェットには連続日数が大きく表示されており、1日の終わりが近づくにつれて、Duo(キャラクター)の表情が怒りに変わる。これは、「今日中にやらなければ」という意識を強化させるための工夫だ。ウィジェットに表示されているため、目に入る機会が増え、自分がこれまで積み上げてきた連続日数を壊したくないという気持ちが自然と働く。結果、気づけばアプリに手が伸び、レッスンをクリアしていく。
また、難易度については、最初のうちは比較的簡単であることも、続けやすい理由のひとつだ。有名ゲーム「ドラクエ」のように、ゲーム側が徐々にレベルを上げていくことで、ユーザーは知らず知らずのうちにレベルアップを経験し、やりがいを感じる。難易度の調整が絶妙で、挑戦しやすいけれども、達成感を得るために一定の努力が必要というバランスが、学習を続ける動機を維持させる。
さらに、他の学習アプリとの大きな違いは、他のユーザーと競い合う要素だ。ランキングシステムを活用して、競争心を刺激することで、単なる「学習」から「ゲームの一環」としての感覚を持たせる。これにより、学習をゲームのように楽しみながら、自然と勉強が進んでいく。

このような様々な工夫によって、Duolingoは他のアプリとは一線を画す継続性を持っている。学習はどうしても続けるのが難しいと感じることが多いが、ゲーミフィケーションがうまく機能することで、ユーザーは「勉強している」という感覚を忘れ、自然とアプリを開き続けることができる。Duolingoがこれだけ多くの人に支持されている理由は、まさにこの「続けやすさ」にあると言えるだろう
ゲーム感覚だけじゃない?Duolingoの良いところ・惜しいところ
Duolingoの良いところ
- 継続するための仕組みづくりがしっかりしている
- 比較的やさしめのレベルから入ることができる
- 基本無料
Duolingoのイマイチなところ
- 課金しないと広告が挿入される
- ある程度できる人にとっては簡単すぎる
良いところ①:継続するための仕組みづくり
Duolingoは、先にも述べたように、ゲーミフィケーションをうまく活用している。そのため、ゲームでいうところのログインボーナスに相当する要素が用意されている。それが「継続日数」で、プロフィール欄にも表示項目のひとつとして含まれている。
さらに、1回のレッスンが重くないという点も、続けやすい理由のひとつだ。1セットはおおよそ5分程度で、気軽に取り組むことができる。
良いところ②:比較的やさしめのレベル
Duolingoの「日本語→英語」のレッスンでは、最初は非常に簡単なレベルからスタートする。そこから徐々に難易度が上がっていくが、急激に難しくなることはなく、本当にゆっくりと難易度が上昇する。「ドラクエ」のように、ユーザーが気づかないうちに難易度が上がっていく仕組みになっている。
また、「日本語→英語」のレッスンは文法ごとにユニットが構成されているため、文法を思い出しながら取り組むことができる。
良いところ③:完全無料で取り組める

Duolingoには課金プランも用意されているが、レッスンのすべてを無料で取り組むことができる。無料プランでも、レッスンの数に制限があるわけではなく、基本的に全てのコンテンツを利用することが可能だ。
そのため、コストをかけずに英語を学びたい人にとっては非常におススメのアプリである。また、無料プランでも十分に効果的な学習ができるため、まずはお試しで始めることができる点も大きな魅力だ。さらに、広告が表示されることがあるが、それでも学習を中断せずに続けられるので、気軽に取り組める。
無料プランと有料プランの違いは次のようになっている。
無料プラン | 機能 | 有料プラン |
1レッスンにつき1回 | 広告 | なし |
利用不可 | 会話強化メニュー | 利用可 |
利用不可 | パーソナルトレーニング | 利用可 |
5個 | HP | 無制限 |
利用不可 | AIとの会話 | Maxのみ可(Superは不可) |
ジェムを消費 | チャレンジへの参加 | ジェムの消費なし |
ジェムを消費 | レジェンドレベル | ジェムの消費なし |
惜しいところ①:課金しないと広告が挿入される
フリーミアムモデルの宿命ではあるが、課金をしないと広告が挿入される。広告が表示されるタイミングは、各レッスンの終わりに1回だ。
ただし、広告の長さは長くても30秒程度なので、ストレスにはなりにくい。私自身、広告が流れている間に頭の中で振り返りをしたりしている。レッスン間の短い休息時間として捉えれば、むしろストレスを感じにくいのではないかと思う。
惜しいところ②:ある程度できる人にとっては簡単
Duolingoのターゲットは明確ではないが、おそらく英語初心者をターゲットにしているため、ある程度英語ができる人が最初から始めると、非常に退屈に感じるだろう。それほど、最初のほうは簡単に設定されている。
ただし、機能としてセクションレベルをスキップすることができる。現在は8つのレベルがあるため、自分に合ったレベルからスタートできるのはありがたい。ただし、「日本語→英語」のレッスンは全体的にやさしめに設定されているため、スキップしても物足りないと感じる人もいるかもしれない。
続けるのが苦手でもOK!挫折しないための工夫とは?
Duolingoを続けることは非常に簡単である。スマホのホーム画面にDuolingoのウィジェットを設置するだけで、毎日手軽に学習を続けられるようになる。これだけで、ほとんどの人が学習を続けられるはずだ。
人間は、積み上げたものを壊したくないという心理が働くものだ。私は、Duolingoを180日、約半年間続けてきたが、この記録が失われると思うと、なんとなく怖く感じてしまう。学習アプリに過ぎないと分かっていても、その達成感や継続日数が一つのモチベーションとなり、意識的にでも続けたくなるのだ。

この「連続日数」を視覚的に確認できることが、心理的に大きな影響を与えている。ウィジェットやアプリ内で表示される日数が増えていくのを見るたびに、「まだやりたい」「この記録を維持したい」という気持ちが湧き上がる。それに加えて、Duoというキャラクターが日々の頑張りを見守ってくれる感覚も、励みになっている。
このように、ゲーム感覚で楽しめる要素が組み込まれているため、学習を続けるハードルが低く、日々の小さな成功体験が積み重なっていく。この心理的なサポートこそが、Duolingoを続ける最大の理由の一つだと感じている。
半年間使ってわかったこと・学んだこと
- 意思が弱くても継続できる仕組み
- 徐々に上がっていく難易度
- ゲーム感覚で学べる楽しさ
- 日常に英語を組み込む習慣ができた
1. 意思が弱くても継続できる仕組み
Duolingoは、続けることに特化した仕掛けが随所に散りばめられている。中でも効果的なのが、スマホのホーム画面にウィジェットを設置すること。これにより、アプリを開かなくても継続日数が常に表示される。
「今日はまだやっていない」「連続記録を絶やしたくない」という気持ちが自然と生まれ、行動を後押ししてくれる。ここまでくると、もはや“やめたくなくなる”心理がうまく利用されていると言っていい。
2. 徐々に上がっていく難易度
Duolingoのレッスンは、最初は非常に簡単な内容から始まり、段階的に難易度が上がっていく。文法ごとに整理されたユニットや、シチュエーション別のトピックが用意されているため、自分の理解に応じて無理なく進めることができる。突然難しくなることがなく、ストレスを感じる場面が少ないのも継続の秘訣だ。
3. ゲーム感覚で学べる楽しさ
Duolingoは「語学学習アプリ」というより、むしろ「英語を使ったゲーム」に近い感覚で楽しめる。ランキングによる競争、ジェムの獲得、デイリーミッションの達成など、ゲーム的な要素が充実している。特に、報酬が1.5倍・2倍になるデイリーミッションなどは、やる気をぐっと引き上げてくれる。学びながら自然と夢中になれるのが、このアプリ最大の魅力だ。
4. 日常に英語を組み込む習慣ができた
毎日少しずつでも続けていると、英語学習が生活の一部になっていく。私の場合、寝る前に1レッスン取り組むのが習慣になった。ただし、夜は忘れやすいため、本当は朝にやる方が安心だ。実際、以前夜にうっかり忘れかけて、ひやっとしたことがある。幸いその日は朝にレッスンを終えていたので記録は守られたが、この経験から「早めに終わらせる」意識も自然と身についた。
Duolingo半年継続の結論|これはおすすめできるのか?

Duolingoを半年間実際に使ってみて、あらためて「非常におすすめできる学習アプリ」だと感じた。特に、英語を勉強したいと思っていても「何から手をつければいいのかわからない」という人にとっては、まさに最初の一歩にぴったりのツールだ。
レッスンは短時間で取り組めるうえ、ゲーム感覚で進められるので、無理なく続けられる。しかも、基本的な機能はすべて無料で使えるため、コストをかけずに英語学習を始めたい人にも理想的だ。
「気軽に始められて、続けやすい」この2点こそが、Duolingo最大の強みだと思う。英語を勉強したいと考えている人には、まず試してみてほしい。半年続けた今だからこそ、自信を持ってそう言える。